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エンブレム──奴隷契約編
第3章 罠



圭介の顔は真っ青になっていた。

野球部のキャプテンがタバコを所持していた。
もはやこれは圭介だけの問題では済まされない学園レベルのスキャンダルだった。

この件が公になれば、圭介の所属する野球部は夏の甲子園予選を辞退せざるを得ない。
そればかりか、もし半年にわたり対外試合を自粛する事にでもなれば春の甲子園も事実上辞退ということになるのだ。

当然、その全責任はタバコを所持していた圭介にふりかかる。
圭介一人のために百人近くいる野球部員が涙を飲むのだ。


事の重大さを理解した圭介はポロポロと涙を流し「先生……俺じゃない、本当に俺じゃないんです。助けてください」と田島に訴えた。

田島は必死に笑いをこらえた。
爆笑しそうなほど圭介が間抜けに見えた。


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