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エンブレム──奴隷契約編
第3章 罠

「そりゃあ俺もお前を助けてやりたいさ。でも考えてみろよ、誰かがカバンに入れたなんてお前の言い分を誰が信じるんだ?俺は信じても他の教職員や生徒達が信じると思うか?」
「そ、それは……、でも本当に俺じゃないんです」
「まあ、とにかくだ。嘘か本当かは職員会議と高野連の判断にまかせようじゃないか。もちろん俺も力になる。だが、残念だが夏の甲子園はあきらめてもらうしかないな」
田島の言葉を聞いた圭介は坊主頭を抱えワッと泣き出してしまった。
田島の言う通り、事が公になれば真偽を問わず間違いなく学園は出場を辞退するだろう。
キャプテンの圭介にはそれがよくわかっていた。
「先生お願い!圭介君を助けてあげてください!圭介君、あんなに頑張ってきたのにかわいそう」
悲壮な圭介を見るに見かねて麻美も涙目で田島に訴えた。
その表情を見て田島はゾクッとする快感をおぼえた。

