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エンブレム──奴隷契約編
第1章 序章
しかし、そんな失恋の悲しみなど一瞬の感情だった。
田島はギリッと一度歯ぎしりした後、「くそっ」と吐き捨てた。
その険しい表情からも田島の心が怒りと憎しみに満ち溢れているのは明らかだった。
その憎悪の感情は麻美を奪った男子生徒ではなく、自分を捨てた麻美に対して一方的に向けられていた。
「麻美……、この怒りと屈辱をお前にも味わってもらうからな」
「お前の心だけは絶対に誰にも渡しはしないぞ」
田島の恋が狂気に変わった瞬間だった。