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エンブレム──奴隷契約編
第9章 悲壮
「立て麻美。立って胸を晒せ」
田島は麻美に上半身裸になるよう命じた。
奉仕させる時は全裸に、躾をする時は上半身だけ裸にするのが田島の傾向だった。
それを知っていた麻美は一瞬田島に従うのを躊躇ったが、「もうどうにでもなれ」と自暴自棄になりながら立ち上がり服を脱ぎ捨てた。
「麻美、お前にはもう何度も教えたはずだ。常に俺の事を考えていろとな」
田島は怒りに満ちた顔で麻美の乳房に手を伸ばした。
「っく……」
乳房に田島の手が触れた瞬間、麻美は顔をしかめ声を漏らした。
決して田島の手に性的な興奮を得た訳ではない。
一ヶ月の間に麻美の乳房は田島の仕置きでアザだらけになっていた。
乳首、そして乳輪の周りの肌は内出血で変色し、ある所は青く、ある所はどす黒くなっており触れただけでも激痛が走る。
「圭介ごときの事で涙を流すとは、まだまだ痛みが足りないようだな」
田島は無惨に変色したその両乳房を躊躇う事なくつねりあげた。
「きゃっ──ひぃっ──」
ビクンと身体を震わせ麻美が悲鳴をあげた。
「これで涙も止まっただろ?いいか、お前は俺の奴隷だ。当然、お前の涙も俺のものだ。俺の事以外で泣く事は許さん!」
「ひっ……痛いっ──痛いですっ」
あまりの激痛に麻美は身を屈め悶絶した。
しかし田島は乳房をつねる指先で麻美の身体を引っ張りあげた。
「ひぁぁっ──許して……もう許してくださいっ」
涙が止まるはずもなく、麻美の目からはポロポロと涙が落ちる。
しかし、確かに麻美の頭からは昨日の哀しみが全て消えていた。
今の麻美には苦痛と恐怖しかなかった。
「もう一度言うぞ。胸が痛むたび俺の事を考えろ。この胸の傷はアザなんかじゃない。お前が俺の奴隷だという証、俺が刻んだエンブレムなんだからな」
そういい放ち、田島は爪を立てた指先を麻美の乳房に深々とめり込ませた。
「わ、わかりましたっ、わかりましたご主人様っ──」
激痛に耐え兼ねた麻美は田島の目を見つめ許しを乞うた。