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エンブレム──奴隷契約編
第2章 迫る狂気
田島の狂気など知るよしもなく、麻美と男子生徒は毎日幸せそうに手を繋いで下校していた。
男子生徒の名は「柴田圭介」。
麻美の同級生であり、麻美にとって初の彼氏だった。
圭介は野球部のキャプテンをしており、麻美は毎日グラウンドの片隅で圭介の練習姿を眺めていた。
二人は校舎脇で待ち合わせをし、圭介の部活が終わってから一緒に帰る事にしていた。
時には圭介の帰りが七時近くになることもあったが、それでも麻美はポカリと真っ白なタオルを手にじっと圭介を待っていた。
○△学園の誰もが羨む熱々のカップルだった。
もちろん田島は例外だったが。