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捨て犬
第14章 食べたい?
アパートの階段を上がると
音が聞こえたのか
・・ずっと待っていたのか・・
玄関が開いて
エミが顔を出した


「おかえりなさい」


「ただいま」


これこれ

この瞬間
俺は絶対にニヤける



ドアをしっかりと閉めて
ちゅっと
キスをすると
エミは手をつないできた


また甘えてんな?


「今日はどうだった?」


「昨日よりは・・大丈夫」


「ちょっとずつ慣れるからな?
心配すんなよ?」


「うん」


大丈夫とは言うものの

結局エミは
今日も
かなりべったりだ


「お腹、すいた?」


「ん~・・・
いや、ちょっと寒いから風呂入りて~な
エミは?お腹すいたか?」


「すいてない」


「じゃ、風呂はいろっか」


「うん」



あ・・

なんかもう
期待しちゃって
ムズムズしちゃう俺


仕方ないじゃん

身体
洗ってもらえると思うだけで
そりゃあ男は
うれしいもんだ


いや、洗ってくれるとか
約束したわけじゃねぇよ?

けど
今日もべったりだから
洗ってくれると思うんだよね


多分。



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