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捨て犬
第3章 お前、泣けるじゃん

それから
何時間たったんだろう

喉が渇いたのか
俺は
夜中にふと目が覚めた


ん?・・あれ?


隣で寝ていた
ヤツがいない


俺の部屋に
布団もベットも
ひとつしかないし
確かに昨日は
あのままヤツと一緒に寝たはず


トイレか?

ま、いっか


とりあえず
水、水・・っと



俺は立ち上がり
台所に向かった


そして
台所に足を踏み入れた時だった


「ぅっわぁっ!」


真っ暗な台所の隅っこに
人影が見えた


「わ、な、何?」


よく見てみると
隅でうずくまってる人影は

ヤツだった



何やってんだよ
びっくりすんじゃねーか
マジ
ビビるだろ~~


って怒鳴ってやろうかと
思ったけど

やめといた



ヤツが



泣いてたから。





「な、なんだよ
どうしたんだよ
びっくりするじゃん・・」




「・・・・ごめっなさ・・」





そんな
優しくねーけど

結構自己中だし

普段、女とヤルことしか
考えてねーけど



ちょっと
可哀想だよ・・コイツ



俺は
ヤツが泣いてることに
ふれないまま
ペットボトルの水とアイスを持って
ヤツの手を握った


「こっちこい」


ヤツを引っ張って
立たせると

ヤツは
黙ったままうつむき
俺に手を引かれたまま
ついてきた


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