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捨て犬
第18章 えっ?
グロス
いっぱい塗られてると
嫌なんだけど

こんくらいなら
俺、好きなんだよな・・・


くちゅっ・・っちゅっ
いい・・・におい・・


「かわいいよ」

「・・・・」

「恥ずかしがんなよ
本当に似合ってるから」

そう言っても
耳まで真っ赤なエミが
可愛くてたまんなかった



「エミ、今日どうだった?」

「うん・・大丈夫だった」

「なら、よかった。
由香ちゃんに
洋服、見てもらったのか?」

「・・うん・・」

「どれ?」

エミは
クローゼットから
一枚のコートを取り出した

今どきの女の子が
着ていそうな
いいコートで
派手すぎず
エミに似合いそうだった


「あ、いいじゃん
エミに似合いそう。
よかったな。
寒くなったから
早く買わないとって
思ってたんだよ」

「うん」

あ~また
顔赤くして。

褒めると
すげー照れてるけど
俺、今まで
エミのこと褒めたり
してなかったのかな…

いや、可愛いとか
そーゆーのは
言ってたはずなんだけど。


「由香ちゃんと
話とかした?」

「うん。
お茶とかもした」

「わ~すげ~じゃん
由香ちゃんさ、いい子だろ?
元気で楽しくってさ」


「うん楽しい。
いつも・・・楽しそう」


「そうだな。
楽しそうにしてるけどさ
あれで結構
色々気を使ってるんだぜ?
萩原のおばさんと
おんなじなんだよ」


「・・・うん・・」


「どした?」


「私も・・・」


「なに?」


「なんでも・・ない」


なんだろ。

なんか・・・
感じるものが
あったのかな

でも
いいんだよ

ちょっとずつ

ちょっとずつ
変わっていけばいいんだから


俺は

いつまでも
待ってるから



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