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捨て犬
第19章 見せらんねーのかよ!
ふ〜〜…

うつぶせで
煙草の煙を吐き出すと
エミは
ぴったりと
俺に抱きつく

ほっとする…瞬間

眠気と戦いながら
煙草を吸い
疲れはてたエミが
まどろみながら
俺にすがる

この時間が
俺は好きだ

「エミ」

「ん?」

「好き?」

エミは
俺の身体で
顔を隠しながら
小さな声で
「うん」って答えた

まだ吸いかけの
煙草の火を消して
布団の中に肩を入れ
俺は
エミと同じ枕に
頭をのせた

「いつから
好きになってた?」


「・・・わかんない・・」


「好きだって
気が付いたのが今日なのか?」


「うん・・」


俺は
エミと向き合い
エミのおでこに
俺のおでこをくっつけた


「由香ちゃんに
教えてもらったんだ」


「・・ん・・」


「なんで・・・
俺の顔、見なかったんだ?
今日は・・・
名前も呼んでくれなかっただろ?
俺、超寂しかったんだぜ」


「ごめんなさい
あの・・・あのね・・
・・・・・・」


っちゅっ・・


「ゆっくり話して
俺、待ってるから」


くちゅっ・・くちゅ


「ん・・・」

ちゅ…


話せって言いながら
キスばっかしてる(笑)
ごめん

「カズマが・・カズマを
好きなのかなって
思ったの
昨日・・・

あのね
由香ちゃんが
好きな人とはキスしたいって
言ったから・・」


「うん、それで?」


「そしたら・・・
恥ずかしくなって

カズマが
じっと見るから
どきどきして・・」


「うん、エミ
顔がさ、真っ赤だった」


「・・・・」


ちゅくっ


「恥ずかしがってんの
かわいいけどさ
早く慣れてくれよな?

俺、前みたいに
エミに目で会話してほしい

好きなんだ、あれ」


「・・ん・・」


「エミ・・・
舌、出して?」







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