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捨て犬
第9章 殴らないで
せっかくホテルに来たのに
俺達はセックスしないで
部屋に帰った



家に帰ると
ほっとしたのか
気分が悪くなるぐらい
腹が減っていた


「腹、減ったな」


「うん」


「カップ麺食う?」


「うん」


今日はご馳走の予定だったのに
結局晩御飯は
カップ麺になってしまった


2人でラーメンを
食べてると
エミのさらさらした髪が
何度も
耳から落ちて
ラーメンを食うエミの
邪魔をした


先にラーメンを
食べ終えた俺は
エミの後ろに座って
髪を束ねて
手で持ってやった


そんなことまで
してる俺って


ちょっとイカレテルな




エミがラーメンを
食べ終えると

「ありがと」

って
すぐに席を立とうとした



多分
片付けるためだ



「待って、エミ
俺今すぐエッチしたい」


「え・・あ
すぐに片付けるから」


「後でいいよ
俺待てない」



「でも・・」




「なんでそんなにすぐ
いつも片付けるんだよ

後でもいーじゃんか」





「でも・・・

痛いの・・・嫌だから」




でた

爆弾発言。


片付けなかったら
殴られたってことか

・・・ひでぇな


俺なんか
3日くらいテーブルに
置いてあっても平気だぜ?

それもどーかと思うけどさ



「俺は殴ったりしないよ」


「・・・・」


「さっきだって
殴る気なんてなかったんだ
女を殴る趣味なんてねー」


「う、うん
カ、カズマは優しい・・」


「じゃあ、そのままにしとけ」


「・・・・・」


「嫌なのか?」




「ドキドキ・・するから

片付けてないと
気になってドキドキするから」




痛いな・・・




お前の心

痛すぎるよ





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