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掌の官能小説
第29章 マイ
僕は土下座をして謝った。

「許してくれなくていいから、別れる」

彼女は涙を流しながら、僕に殴りかかってきた。
僕は抵抗せずに殴られた。

彼女の手が止まると、僕は立ち上がり身の回りの荷物をバッグに詰めた。
「あとひと月ここを借りておくから、新しい部屋を探して。」

僕の住むこの部屋に彼女が越してきたので、家具や家電はほぼ僕の物だった。

「ユウくんは?どこに住むの?あの女のとこ?」

「いや、部屋を見つけるまでホテルだよ。」

「私も…私も行きたい。」

「だから、もう会わないから。妊娠はしてないんだろ?そんな嘘つく人間じゃなかったよね。僕が悪かった。本当にごめん。今までありがとう。楽しかったよ。大丈夫。僕よりいい男がこの世には溢れてるから。」

僕はバッグを持ち部屋を出た。
そしてマイの待つ部屋に急いだ。

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