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掌の官能小説
第29章 マイ
マイの恋人になった。

以前のマイとの関係との違いは…

ない。


マイの恋人になってひと月経っても、もう一人の恋人とも続いていた。
同棲している恋人に別れを切り出したが、別れないと言われた。
マイの存在を伝えたが、今まで通りでいいからと懇願され、僕はズルズルと関係を続けている。



「明日からこの部屋、使えなくなるの。親戚が帰ってくるの。もう、終わりかな。私たち。」

「え?」

「それに疲れたの。もう一人の恋人の元に帰るあなたを想うのが。」
寂しそうな顔をした。

「ごめん。甘えていたよ。」
僕は、マイに会わなかった3ヶ月間の時の事を思い出した。

「彼女が来たの。別れてと。」

「え?」

「この場所知ってるの。」

「な…なんで?」

「とにかく、もう…」

「今から別れてくるから。だから。」

「妊娠したって…だから結婚するって…」

僕は慌てて部屋を出た。
するとマンションの前に彼女が…
僕は背筋が寒くなった。

僕を見つけると、彼女は逃げて行ってしまった。

優柔不断な自分がいけない。
ちゃんと向き合わなければ。

僕は覚悟を決めてアパートに戻った。













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