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* 花音’s short story *
第6章 ◆ episode5 ** 一ノ瀬 桜 × 成瀬 涼 編
「………相変わらずだな」
「そうだね」
……まぁ、いっか。桜と二人になれたし。
大野と三枝が置いていった紙袋の中には、クリスマスケーキの箱が入っていた。
早速コーヒーを入れて、ケーキを切り分ける。
「おいしいね」
「うん」
「私も涼にプレゼントがあるの!」
「俺も!」
俺たちはお互いにプレゼントを差し出した。
「「…………」」
同時に差し出された包みを見て、俺も桜も一瞬固まってしまった。
それは同じショップの包み。
若干の戸惑いの空気が流れる。
「え……と、はい」
「ありがとう」
包みを交換して、リボンをほどいた。
「………ふふっ」
「………ははっ」
── まさかこんなことがあるなんて。
それは、同じショップの手袋。
色は違うけれど、同じデザインのものだった。
「涼。ありがとう」
「うん。桜もありがとう。……まさか同じもの選ぶなんてな」
「これ見たときね、きっと涼に似合うと思ったの」
そう言って桜は微笑んだ。
「俺も、桜に似合うと思ったんだ」
この小さな奇跡に、俺の胸は温かくなっていた。
「そうだね」
……まぁ、いっか。桜と二人になれたし。
大野と三枝が置いていった紙袋の中には、クリスマスケーキの箱が入っていた。
早速コーヒーを入れて、ケーキを切り分ける。
「おいしいね」
「うん」
「私も涼にプレゼントがあるの!」
「俺も!」
俺たちはお互いにプレゼントを差し出した。
「「…………」」
同時に差し出された包みを見て、俺も桜も一瞬固まってしまった。
それは同じショップの包み。
若干の戸惑いの空気が流れる。
「え……と、はい」
「ありがとう」
包みを交換して、リボンをほどいた。
「………ふふっ」
「………ははっ」
── まさかこんなことがあるなんて。
それは、同じショップの手袋。
色は違うけれど、同じデザインのものだった。
「涼。ありがとう」
「うん。桜もありがとう。……まさか同じもの選ぶなんてな」
「これ見たときね、きっと涼に似合うと思ったの」
そう言って桜は微笑んだ。
「俺も、桜に似合うと思ったんだ」
この小さな奇跡に、俺の胸は温かくなっていた。