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第15章 蜜夜の春

悩ましく喘ぐ泉夏に、秀王は訊く。
「我慢…出来る？」
－泉夏？
『そんな風』にされるって事は。
『そんな風』にするって事は。
狂おしいばかりの快感の波に耐えなければならない－そういう事。
形ばかりの問いだった。
可でも不可でも、どうするかは最初から決まっているのだから。
もしかしかしたら答えられないかもしれない－余りの乱れ具合に考えてもいたが、しかし彼女はいじらしくも反応した。
「…はい」
震える声で、泉夏は囁いた。
「はい…せんせい」
－先生は、出来る？
色欲に溺れた目で問い返されて、秀王は言葉を失う。
それも刹那。
彼もまた、頷いた。
「出来るよ、泉夏」
その答えに満足したのか、泉夏は微かに笑った。