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桜の季節が巡っても
第15章 蜜夜の春
規則正しく。
あるいは規則性などまるでなく。
部屋に響く、ベッドの軋み。
熱い、吐息。
湿りを帯びた、空気。
時折耳に届く、粘着質な音。
互いを呼び合う、声。
愛を確かめる、囁き。
閉ざされたこの空間は、ふたりだけのもの。
愛し合うふたりだけに許された一夜(いちや)。
繰り返される行為は、速く、激しく。
そうかと思えば、緩やかで、果てなく優しい。
彼の猛々しいものに貫かれる度に、泣き出しそうなほどの快感をその身に受け入れる。
もっと挿して。
もっと深い場所まで。
もっと動かして。
もっと深く感じさせて。
与えられる至福の悦びに、彼自身ががんじがらめとなる。
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