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桜の季節が巡っても
第10章 追憶の春
ついさっき彼自身が断言したように、本当にこのまましたら-あの彼との事は簡単に忘れ去ってしまえるだろう。
泉夏は戦き、辛うじて残っていた口内の残り少ない唾液を呑み込んだ。
緊張のあまり、言葉は出せない。
そんな彼女の様子に、彼が笑った気配がした。
息を吐かれた拍子、愛飲している煙草の匂いを感じる。
覚悟を決めた泉夏に次の瞬間、彼は優しく、口付けた。
泉夏は事が済み、自分から身体を離した彼を信じられない目で見遣る。
たった今彼の唇が触れた-右頬に手を当てながら。
物足りなそうな顔してるじゃん-指摘され。
泉夏は意地の悪い彼に腹が立ちつつも、赤くならざるを得なかった。
「…うるさい」
暫く振りにようやく、絞り出す。
しかし彼には当然なんの効果もなくて。
「今度こそ本当にして、その生意気な口を塞いでやってもいいんだけど?」
龍貴は妖しい笑みを頬に貼りつけた。



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