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第11章 逡巡の春

「俺？」
悪びれなく龍貴は笑った。
「他に誰が…！」
文句は－言えなかった。
再び重なる、唇。
龍貴の意のまま自由自在に舌で辱められ、泉夏は無意識のうちに彼にしがみつく。
応えるように彼の腕が伸び、互いの身体はより密着した。
更に深く口付けられ、彼が奥に侵入してくる。
決して逃さぬよう絡み取られ－全身が痺れてくる。
「あ…ん…んっ」
声を出さないなんて－無理だった。
また窘められてしまう－頭の片隅では思うのに。
しかしそんな彼女を咎める事なく－それどころか龍貴は増々、泉夏の口内を蹂躙する。