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桜の季節が巡っても
第13章 相愛の春
目の前には、自分を恋情を秘めた瞳で見つめる彼。
その彼の双眸に映るのは、これまた相手を恋慕する自分。
「泉夏-」
上擦った声で呼ばれ-もう、泣いてしまいたかった。
名前を呼ばれた事なんて、この三年で一体どれほどあっただろう。
なのに今日はもう何回目?
しかも苗字じゃない、ちゃんと下の名を。
しかも紡ぐその唇は、たった今まで確かに自分に触れていた-。
泣きたくなる想いを抱えたまま、ふたりの唇は再び引き寄せられる。
微かに触れ合い、吸われる。
やがて遠慮がちに、口内に何かが侵入してきた。
それが自らの舌の先端に触れた瞬間、泉夏の身体は電流を流されたかのように痙攣した。
驚きに思わず彼から離れようとするが-それは敵わない。
逃れられないように舌先を彼に絡み取られ、甘い吐息が漏れる。
その彼の双眸に映るのは、これまた相手を恋慕する自分。
「泉夏-」
上擦った声で呼ばれ-もう、泣いてしまいたかった。
名前を呼ばれた事なんて、この三年で一体どれほどあっただろう。
なのに今日はもう何回目?
しかも苗字じゃない、ちゃんと下の名を。
しかも紡ぐその唇は、たった今まで確かに自分に触れていた-。
泣きたくなる想いを抱えたまま、ふたりの唇は再び引き寄せられる。
微かに触れ合い、吸われる。
やがて遠慮がちに、口内に何かが侵入してきた。
それが自らの舌の先端に触れた瞬間、泉夏の身体は電流を流されたかのように痙攣した。
驚きに思わず彼から離れようとするが-それは敵わない。
逃れられないように舌先を彼に絡み取られ、甘い吐息が漏れる。

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