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The one …ただ一人の…
第12章 最強のライバル?
『今度はいつ会える?』
「それは、こっちのセリフだし。」
日向の方が断然忙しいんだよ。と曄良は上目遣いで日向を見る。
『そうでした。』
そう言って、山下をチラッと見る。
『早く、認められる様に頑張るよ。こいつに。』
そうだね。と曄良が柔らかい笑顔を見せる。
『このマークが消えないうちに会える様に頑張るよ。』
そう言って、曄良の首筋にまた新たな華を咲かせる。
「ちょっ……恥ずかしいからっ!」
曄良は山下をチラッと見る。
山下は天井を仰ぎ見る。
もう行きます。と膨れっ面で曄良はエントランスへ歩き出す。
『あっ、ちょっと曄良っ!』
日向はそんな曄良を追いかけて、腕を掴み引き寄せ壁に押し付ける。
『怒ったまま、行くなっ。』
そう言って、曄良の唇にそっと自分の唇を重ねる。
少し離すと
『からかい過ぎた。ごめん。』
と言って、もう一度唇を重ねた。
『いってらっしゃい。』
「ん…行ってきます。」
曄良は飛び切りの笑顔を見せ、小走りにエントランスへ消えて行った。


山下の横まで来ると、日向は言った。
『ありがとう。』
えっ?と言う顔をした山下に言った。
『いや、時間、無理に作ってくれたんだろ?悪かったな。』
山下は面食らった。
『さっ、仕事仕事。』
とオフィスへ歩いていく日向。
「全く、つかみ所のない人だ。」
山下はそう言うと、心のモヤが晴れていく感じがした。
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