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The one …ただ一人の…
第13章 トラウマの元凶
曄良は、渋谷の駅を出ると、職場へと急いだ。
「もう、ギリギリだよ。」
ちょっと焦りながら、crownの看板がかかったショップのドアをくぐる。
「おはようございます。」
と挨拶して、目の前に立っている人物に曄良は固まった。
『やぁ、久しぶり。曄良。』
「あっ…田城…さん?」
昔、曄良を振った、田城がそこにいた。
結城さんに手招きされ、慌てて自分のデスクに座る。
結城さんが耳打ちした。
「ロンドンから昨日帰って来たんだって。所長に挨拶しに来たらしいよ。」
ミーティングルームで所長と話をしている田城は、視線に入ってくる曄良を目で追っていた。
数段、綺麗になった。色艶が出たな…。
「田城さん、ロンドンに行かれてたんですね。」
と所長は素っ気なく言った。曄良との一件があって、田城には良いイメージがなかった。
『日本に帰って来たら、crownの評判を聞いて、ちょっと拝見したくなりましてね。随分と中も良い雰囲気に、内装変えたんですね。素敵ですね。女子に人気があるのがわかります。』
田城は優雅に紅茶を飲みながら、足を組み替えた。
「褒められるのは、喜ばしいです。でも、内装で、お客様が増えているとは思ってません。」
所長は何故か喧嘩腰で物を言う。
『わかってますよ。優秀なスタッフの力ですよね。』
「はい。」
『で、ご相談なんですが、うちのグランドリアホテルと提携を結んでくれませんか?』
「えっ?提携?」
『うちのホテルで行われる挙式披露宴を、全てcrownさんに依頼したいんです。』
「はぁ」
『依頼料として、料金の20%を上乗せして、そちらにお支払いする形で。と思っています。』
「いや、でもうちは今までのスタイルを崩したくないんです。」
『断るのは何時でも出来ますから、少し考えて見て下さい。お返事は急ぎませんので。』
所長は断るの一点張りだったが、田城は取り合わず、とりあえず今日の所はと、席を立った。
「もう、ギリギリだよ。」
ちょっと焦りながら、crownの看板がかかったショップのドアをくぐる。
「おはようございます。」
と挨拶して、目の前に立っている人物に曄良は固まった。
『やぁ、久しぶり。曄良。』
「あっ…田城…さん?」
昔、曄良を振った、田城がそこにいた。
結城さんに手招きされ、慌てて自分のデスクに座る。
結城さんが耳打ちした。
「ロンドンから昨日帰って来たんだって。所長に挨拶しに来たらしいよ。」
ミーティングルームで所長と話をしている田城は、視線に入ってくる曄良を目で追っていた。
数段、綺麗になった。色艶が出たな…。
「田城さん、ロンドンに行かれてたんですね。」
と所長は素っ気なく言った。曄良との一件があって、田城には良いイメージがなかった。
『日本に帰って来たら、crownの評判を聞いて、ちょっと拝見したくなりましてね。随分と中も良い雰囲気に、内装変えたんですね。素敵ですね。女子に人気があるのがわかります。』
田城は優雅に紅茶を飲みながら、足を組み替えた。
「褒められるのは、喜ばしいです。でも、内装で、お客様が増えているとは思ってません。」
所長は何故か喧嘩腰で物を言う。
『わかってますよ。優秀なスタッフの力ですよね。』
「はい。」
『で、ご相談なんですが、うちのグランドリアホテルと提携を結んでくれませんか?』
「えっ?提携?」
『うちのホテルで行われる挙式披露宴を、全てcrownさんに依頼したいんです。』
「はぁ」
『依頼料として、料金の20%を上乗せして、そちらにお支払いする形で。と思っています。』
「いや、でもうちは今までのスタイルを崩したくないんです。」
『断るのは何時でも出来ますから、少し考えて見て下さい。お返事は急ぎませんので。』
所長は断るの一点張りだったが、田城は取り合わず、とりあえず今日の所はと、席を立った。