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The one …ただ一人の…
第20章 過去
「曄良、大丈夫か。」
『ん。大丈夫。』
「本当は、抱きしめたいけど。着物じゃ出来ない。」
『日向……私…』
「言わせなかったのはオレだよ……」
曄良は、潤んだ瞳で日向を見つめる。
「あの日、話そうとしてくれたのを、遮ったのはオレだから……気にするな。」
曄良が退院したあの日、言わなきゃいけない事があると俯いた曄良を制止した。過去は過去なんだ。
日向にとっては、何があっても関係のない事だった。
「オレは、曄良が好きだ。愛してる……」
日向は真っ直ぐな瞳で見つめた。
曄良は涙を拭いながら、微笑んだ。
『日向…ありがとう。』

父を送った譲が顔を出した。
「スタッフが、そろそろ始めたいそうだ。あっ、曄良、メイク…」
あ、いっぱい泣いたから。
控え室から出ると、メイクさんがスタンばっていた。
慌ただしくメイクを直され、披露宴会場に向かった。

『1人の女性としても愛してるんですね。』
日向が、譲を見て言った。
「そうだ。悪いか?」
『別に。でも、負けませんから!』
『オレの愛の方が絶対に大きい!』
どうだ!と言った表情で日向が言った。
はははっと譲が笑った。
「お前で良かった。曄良を頼んだぞ。」
そう言うと、一足先に披露宴会場へ入って言った。

扉の前、曄良と日向は入場の合図を待つ。
何となく見つめ合って、軽いキスをする。

「新郎新婦の入場です。」

扉が開き、盛大な拍手が聞こえる。
日向と曄良は、手を取り合い、拍手の渦に呑まれていった。
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