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The one …ただ一人の…
第20章 過去
「成人するまで、渡さないで欲しいと書いてあった。だから、なかなか渡せなくて。」

曄良は、封を開ける。
そこには、母さんの字が溢れていた。

ー曄良へー
この手紙を曄良が読んでいるという事は、母さんが死んだ理由も、何故そうなったかも聞いたよね。
あなたを残して先に逝ってしまった事、許して下さい。それから。
父さんを恨まないでね。父さんが浮気したのは、母さんに魅力がなかったからなの。母さんが悪かったの。
弱い母で、ごめんなさい。
あなたに辛い思いをさせてごめんなさい。
曄良の成長を見守ってあげれなくてごめんね。
あなたは、正義感が強く、優しい子で、母さんは曄良の成長がとても楽しみだったの。きっと素敵な女性になって、素敵な人と出会って。
曄良、あなたは強く、生きて下さい。周りに流される事なく。強く。
そして、幸せになって下さい。
曄良、愛してる。大好きよ。
ー母よりー

「母さん…」
曄良は手紙を握りしめて大粒の涙を流した。
日向がそっと肩を抱く。

「こんな晴れの日に、すまなかった。曄良、本当にすまなかった。」

立ち上がり、譲へ向き合うと、手紙を渡した。
「お前への手紙だ。譲、すまない。曄良を育てて、見守ってくれて、ありがとう……」

『俺は、曄良を妹としても、1人の女性としても、愛してる。だから、自分で望んで、側にいた。それだけだ。』

父は譲の肩をポンと叩き、部屋を出ようとした。

「お父さん。」
曄良が、声をかけた。
「母さんの手紙、ありがとう。」

『会えて良かった。』
父はそう言うと、日向に向けて頭を下げた。
『曄良を、よろしく頼みます。』
「はい。わかってます。」
日向は深々と頭を下げた。
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