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The one …ただ一人の…
第22章 愛のカタチ
「失礼します。」
山下が、真剣な面持で中へ入ってくる。
『聞いてたのか。』
「すみません。」
曄良が山下を見つめ、涙を流す。
「曄良さん、すみません。貴女を苦しめるつもりはなかったのですが。」
曄良は首を振って、山下の言葉を否定する。
『オレが、ヤキモチ妬いたなんて言ったから、混乱したんだ。すまない。』
「……もう、止めましょう……」
『山下?』
「そもそも、私の我儘から始まった事です。私が曄良さんの側に居たいと言った事が……」
『それはオレが、許可したから』
「私は、曄良さんに想いを伝えてしまった。いくら日向さんの許可があったからって……それが彼女を苦しめる事になるって。わかっていた筈なのに。」
山下は、唇を噛み締めた。
「私は、やはり離れるべきなんです。」
次の瞬間、山下は、身体に触れた、暖かいものに目を落とした。
「曄良……さん……」
曄良は、山下に、抱きついて泣いていた。
『ダメなの…山下さんが…側にいないのは…辛い…』
『私が……二人とも……好きなのが……いけないの。』
山下が、目を見開いた。
『もちろん、一番は日向なの。だけど、山下さんも……私がいけないの。』
日向は、山下に抱きついている曄良を、さらに背中から抱きしめた。
『曄良……』
「嫌いに……なった?」
『ん?』
「私の事……嫌になった?」
『ならないよ。』
日向は曄良を自分に向けた。
『オレも同じなんだ。一番は曄良だけど、山下も失いたくない。もうオレの片腕なんだ。山下は……』
すると、日向は突然、曄良と山下の手を掴み、ベッドの側へ歩いて行く。
曄良をベッドへ押し倒すと、山下の腕を掴んだまま、曄良へ唇を落とした。
「日向さんっ、離して下さい。」
山下は日向の腕を振り払おうとする。
日向は山下に言った。
『お前もキスしろよ。』
「は?何を?」
『二人で愛せばいいんだ。曄良を』
「なっ、何を。」
そうすれば、みんな楽になるんだ。
「ムリです。」
山下は、最後の理性で踏み止まる。
横たわる曄良が潤んだ瞳を山下に向けた。
山下が、真剣な面持で中へ入ってくる。
『聞いてたのか。』
「すみません。」
曄良が山下を見つめ、涙を流す。
「曄良さん、すみません。貴女を苦しめるつもりはなかったのですが。」
曄良は首を振って、山下の言葉を否定する。
『オレが、ヤキモチ妬いたなんて言ったから、混乱したんだ。すまない。』
「……もう、止めましょう……」
『山下?』
「そもそも、私の我儘から始まった事です。私が曄良さんの側に居たいと言った事が……」
『それはオレが、許可したから』
「私は、曄良さんに想いを伝えてしまった。いくら日向さんの許可があったからって……それが彼女を苦しめる事になるって。わかっていた筈なのに。」
山下は、唇を噛み締めた。
「私は、やはり離れるべきなんです。」
次の瞬間、山下は、身体に触れた、暖かいものに目を落とした。
「曄良……さん……」
曄良は、山下に、抱きついて泣いていた。
『ダメなの…山下さんが…側にいないのは…辛い…』
『私が……二人とも……好きなのが……いけないの。』
山下が、目を見開いた。
『もちろん、一番は日向なの。だけど、山下さんも……私がいけないの。』
日向は、山下に抱きついている曄良を、さらに背中から抱きしめた。
『曄良……』
「嫌いに……なった?」
『ん?』
「私の事……嫌になった?」
『ならないよ。』
日向は曄良を自分に向けた。
『オレも同じなんだ。一番は曄良だけど、山下も失いたくない。もうオレの片腕なんだ。山下は……』
すると、日向は突然、曄良と山下の手を掴み、ベッドの側へ歩いて行く。
曄良をベッドへ押し倒すと、山下の腕を掴んだまま、曄良へ唇を落とした。
「日向さんっ、離して下さい。」
山下は日向の腕を振り払おうとする。
日向は山下に言った。
『お前もキスしろよ。』
「は?何を?」
『二人で愛せばいいんだ。曄良を』
「なっ、何を。」
そうすれば、みんな楽になるんだ。
「ムリです。」
山下は、最後の理性で踏み止まる。
横たわる曄良が潤んだ瞳を山下に向けた。