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The one …ただ一人の…
第6章 危険な香り
今日は大学の休校日で、朝からアルバイトしている日向。曄良の事を思い出しては、ニヤニヤしている。

『顔!』

へっ?っとマスターの顔を見る。

『締まりなさずぎ…気持ち悪い。』

だってぇーと言いながら、またにやけている。
呆れたマスターは、

『仕事は仕事、プライベートはプライベート。しっかり区切りを付けないと、社会人になれないぞ。それに、そんな締まりのない奴に妹はやれない。』

たちまち日向の顔色が変わった。

「すみませんでした!」

声、デカイし…。鼻で笑いながら、妹を盾に暫く言う事聞いてくれそうだなぁとほくそ笑むマスター。
ふっと切り替えて、仕事モードになった日向は、パキパキと働き出した。


夜になると、BARになる「ライル」では、すっかり様になった日向がカクテルのシェイカーを振っている。
それを目当てに来ている女性も多いが、当の本人は曄良しか見えてないから、女性客は面白くない。

「日向くーん。今日もカッコいいね。もう一杯頼むから今度食事行こうよ〜」
「いや、彼女いるんでムリです。」
そんな会話を繰り広げる。

そこは社交辞令で、そうですねーとでも言っとけよ。
とため息混じりのマスター。
そんな所へ曄良が帰ってくる。

「あっ、曄良!お帰り〜」

すかさず駆け寄り、カバンを持つと、何時もの定位置に案内し、話し始める。
おいおいっ、そいつは客扱いしなくていいから。と心の中で突っ込む。
カクテルを呑んでいた女性客から、

「ねーマスター、あの女、日向くんの彼女なの?」

オレの妹をあの女呼ばわりかよ。
この女、最近良く来るけど、絶対日向狙いだよな。
毎回日向の前を陣取り、他の客を押しのけて日向に話しかけたりしていた。ちょっと迷惑な客だった。
ちょっとイラっとしながら、そうですよ〜ベタ惚れで困ってるんですよ。なんて答えて見る。

バンっ!

次の瞬間テーブルを叩いた。その客が呟いたからだ。

「何、あのブス死んじゃえば良いのに。」

びっくりしてマスターを見る女性客。
そしてゆっくり言葉を吐く。

「オレの大事な妹に、暴言吐きやがって。金いらねぇから帰ってくれ!」

店内が一瞬シーンと静まり返ったが、他の客から次第に帰れ帰れと野次が飛んだ。

「なんなのよ。この店!私に恥かかせて、覚えておきなさいよ!」

そう、吐き捨てて、そそくさと帰って行った。
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