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The one …ただ一人の…
第8章 波乱のプロポーズ
普通、高級な車やホテルって女の子は喜ぶはずなんだ。期待して、ドキドキして。
でも曄良は違った。
どんなデートでも、奢ると怒る。
不貞腐れる。
高い買い物もしようとすると、要らないと言う。
曄良にプレゼントしたいのに無駄遣いだといって怒る。
そんな曄良だから、きっと真実を知っても、大丈夫だと確信した。
だから、敢えてのアルマーニで決めて、高級車で迎えに行った。
曄良は仕事柄ブランド詳しいから、きっと気付いている。
だから、何時もと違うと言ったんだ。
中華街で高級飲茶を食べようって言ったのに、露店の肉まんで良いと言う。
曄良はいつもオレの財布を気遣う。
優しい女の子だ。

最上階に着くと、そこは別世界が広がっていた。
エレベーターが開くとすぐにスイートルーム。
最上階フロア全部が部屋になっていた。
「わぁーーーっ」
迷わす走って行く曄良の目の前に一面に広がる夜景。
ガラス張りになった綺麗に磨かれた窓から、観覧車で見たものより数倍綺麗な夜景が広がっていた。
綺麗…。呟く曄良に
気に入った?と聞いてみる。
コクリと頷く。スッと頬に涙が伝った。
「どうしたの?」
あまりに綺麗で…と頬に伝う涙を拭った。
暫くすると、曄良はオレの手を取った。
んっ?と顔を見ると。
「夜景見たから帰ろう、今ならまだ」
思わず吹き出して笑ってしまった。
「なんで笑うの、今なら見ただけって言えばお金かからないよ、きっと。」
と訳の分からない持論を持ち出し、エレベーターのボタンを押そうとした。
その手を掴んで抱き寄せた。

「帰らないよ。今日はここに泊まるんだよ。」

曄良は、目を見開いて日向を見つめた。
無理無理無理!と首を振る。
心配しないでって言ったよね?
と告げても、まだ首を振って拒否する。

そんな曄良の頬に手を当て自分に向かせた。

「言うこと聞かないから、お仕置きね。」

そう言って、曄良を抱き上げると奥にある寝室に向かった。
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