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The one …ただ一人の…
第8章 波乱のプロポーズ
横浜まで来て、中華街の露店で食べ歩き。
その後山下公園を散歩して、ランドマークタワーの観覧車に乗った。
「久しぶり!観覧車!」
少しはしゃいでいる曄良に
『オレも久しぶりだ。』
と曄良の手を握る。
キラキラと輝く夜景を見て、キャキャはしゃいでる曄良に、夜景好き?って聞いてみる。
「だって、宝石箱みたい。」
『じゃ、後でもっと綺麗な夜景見せてあげるね。』
そう言うと、日向は向かい合わせに座っていた席を移動して、曄良の真横に座った。
日向は指で曄良の唇を辿る。ゆっくりと顎に手を当てると、曄良の唇に重ねた。
角度をかえながら、キスの雨を降らす。
日向が舌を差し入れてくると、曄良は一瞬怯んだが、日向のそれを受け入れゆっくりと舌を絡め合う。
「んっ…っふ…」
甘い吐息が曄良から漏れる。
激しくて、息をどこで吸えばいいのか分からない。
唾液がお互いの口内で溶け合い、さらに舌を絡める。
「…はぁっ…」
長いキスが終わり、日向は腰に手を回し抱きしめた。
もう、地上に着く直前まで、日向の腕に抱きしめられていた。もうすぐ到着。その時、日向は曄良の耳元で言った。
「今夜は帰さないから、覚悟して。」
ビックリして顔を上げる曄良に日向はいたずらっぽく笑う。
日向に手を引かれて観覧車を後にし、車に着くまで、曄良はドキドキが止まらなかった。


横浜を離れ、見慣れた風景に少し安心感を覚えると、見慣れたホテルの駐車場へ入っていった。

「ここって。」
『うん。曄良、仕事で良く使うんだったよね。』
「そうだけど。高級ホテルだよ?」
『知ってる。』

そう言って、助手席から降ろされると、不安そうな曄良の手を引いて、スタスタと歩いて行く。
VIPと書かれたエレベーターに乗ろうとする日向に手を引いて抗議する。
「ねぇ。VIPって書いてあるよ!」
『知ってる。』
半ば呆れた顔で、もう知らないからと頬を膨らませている曄良の腰を支え、エレベーターに乗り込む。
そして、最上階のボタンを押した。
ますます機嫌が悪くなる曄良に
『心配しないで。』
と声をかける。
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