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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第7章 障子の向こうから
優雅だなぁ…。
普段の飲み物なんて
市販の麦茶のわたしに比べたら。
こんなふうにこだわりを持って…。
「あの…、スミヤさんっておいくつですか?」
「僕?──22歳だよ。もしかして老けて見える?」
「…そっ…そんなわけじゃ…っ」
皿にのった生のチョコレートをナイフで切り分け、彼女の向かいに腰を下ろしたスミヤ。
老けては見えないが、大人びて見える。
“ あのハルトと兄弟なのも驚きだけど、彼が5年後にこうなってるなんて想像もつかない… ”
自分と比べてもずっと落ち着いているが、あの我が儘で身勝手なハルトと比べたら一目瞭然。
「…ただ、優雅だなぁって思ってしまって」
「クスッ…ありがとう」
カップを口に運ぶスミヤ。
外から帰ったばかりだと言う彼は、朝とは違い和装ではない。
春物のジャケットの──その衿元には、翼を模した銀色のバッジが光っていた。