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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第7章 障子の向こうから
「ちょうど香りの強い時期だからね」
「飲んでいいですか?」
「もちろんだよ」
スミヤに了解を得てからミレイは紅茶を一口…。
敢えてだろうか、紅茶は少し冷ましてあった。
ゴクっ
「美味しい…!」
舌の上にまろやかなコクと、同じくらいの渋味が広がる──。
そして特徴的なその香りが鼻に抜けた。
「僕は新茶を仕入れて、それを少しずつ熟成させながら飲む。キームンは熟成すると味わいに深みが増していくから…その違いが楽しいよ」
台所の冷蔵庫から、スミヤはチョコレートを皿に移して持ってきた。
「お勧めのマリアージュはチョコレートだ。あ、あとチーズケーキもよく合うかな」
“ マリアージュってなんだろ ”
紅茶をたしなむような事をしてこなかったミレイは、彼の言うことがよくわからない。
わからないからこそ…それを知る彼に感心してしまう。