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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第2章 入学式
「くるるぎ…ミレイ…?もしかしてあなた女の子なの?」
身分書の名前を読み上げ、受付の職員が目を丸くした。
つばのある帽子を深く被った目の前の生徒を、職員は覗きこみながら話しかける。
「何年ぶりかしら…ここに女の子が入学だなんて。頑張ったのね」
「…はは」
肩より上で切りそろえた栗色の髪。
小さな輪郭。
帽子の影からのぞく優しげな目。
まぎれもなく、その生徒は女であった。
「あの…」
「あら、引き留めてごめんなさい。じゃあ…しっかりね」
「はい、ありがとうございます!」
職員は小さな声で彼女にエールを送る。
緊張していたミレイの心も少しだけ励まされた。