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第9章 眠る男

浮かれすぎて当初の目的を見失うところ。

「…見学はあとでっ」

必要な資料を見つけてからだ。


３年前の名も知らぬ恩人の手がかりを見付けるために、先ずは当時、銀バッジを持っていた生徒の情報を知りたい。

卒業している可能性が高いから

卒業生のリストか、就職先を知れたらベストなんだけれど…。

あてもなく探し出すのは不可能なので、備え付けのパソコンで検索をかける。


“ LGAに関する本はいくつかあるのね。歴史や、理念……。でも… ”


「やっぱり無さそう…」

生徒の個人情報は、さすがに置いてない。


そう簡単には、たどり着けないよね…。

画面をスクロールしながらミレイは諦めの溜め息。


ダメもとでいろいろ検索してみる。


【 LGA、記録 】


ﾋﾟﾋﾟｯ


【 該当図書 あり 】



「──…ん？これって…」


その途中、彼女は気になる物を見付けた。