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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第10章 奴隷宣告
「断る」
「……っ」
「名乗る必要性を…感じない」
“ やっぱりそうくるよね ”
彼の返答は予想通りといえばそうなので、ミレイはとくに驚かない。
そうならばと
彼女は軽く頭を下げて、向きを返るとその場から立ち去ろうとした。
「──…待てよ」
「…?はい…」
「名前を教える気はないけどさ…、助けた礼はもらわないと、気がすまない」
「…ッ 礼を…。なら、何をすればいいですか」
男がミレイを呼び止める。
助けたぶんの礼をしろと彼は言うのだけれど、赤の他人である彼女にはどうやったら喜んでもらえるのか見当がつかない。
だが、きちんと礼をするのが筋( スジ)だろう。
“ 言葉だけじゃあ…たぶん駄目よね ”
なら、何を?
《 そこに這いつくばって、俺に頼んでみたら? 》
「──…っ」
彼はそう言っていたけれど…
なら、ここで手をついてお礼を言えば、満足してくれるのかしら?