この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第11章 ツカマエタ
裏庭に面したこちらには和の様式が色濃く出ていた。
左手の竹柵の向こう…
湯気が昇っている。
“ あそこが露天風呂か… ”
裏庭の見晴らしはあまりよくないから、こうやって縁側からじっくり眺めるのは初めてだった。
スミヤは銃をそこに放置して、紅茶を取りにダイニングに行ってしまった。
…それから、数分のうちに戻ってくる。
「おまたせ」
二人分の紅茶と、切り分けられたケーキ。
「通りかかっただけなのにごめんなさい。こんなふうに何度もご馳走になって」
「ご馳走って大げさじゃないかな?かたやチョコレート、かたやケーキだよ」
ミレイは渡された紅茶の香りを楽しんでから口に含んだ。
こうやって縁側でくつろぐなら普通、緑茶に和菓子といきたいところ…。
そうでないのがまた、彼らしいと思った。