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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第11章 ツカマエタ
「どこに行くんです?」
「ゆっくり話せる所だよ。邪魔が入らないように」
和装のスミヤは、着物のすそに媚びることなくさっそうと前を歩く。ミレイは後に続いた。
そうやって広縁を沿って進む二人は、東城家の西端までやってきた。
“ 邪魔が入らない所と言っても、もともとこの家に人はほとんど住んでいないようだけど ”
その辺りの部屋で間に合いそうな気もする。
しかしスミヤが場所を変えたがるので、黙って従うことにした。
「──この先って…地下?」
「そうだよ。ここから階段だから足元に気を付けてね」
西の角部屋は物置になっていて
その手前の階段をスミヤが指差す。
東城家は一階建てではなく、地下室もあるようだ。
パチンと明かりをつけてから、人ひとりが通れるくらいの狭い階段を下りていく──。