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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第11章 ツカマエタ
赤っぽくて暗めの照明だったから、地上と雰囲気ががらりと変わる。
「──…この家を設計したのは、日本の大正建築に心奪われた、とある海外の建築士だったんだ」
地下という空間で彼女が緊張しないようにか
スミヤの話が沈黙を破った。
「その建築士は、日本家屋と西洋建築を融合させてこんな変わった家を造ってくれたわけだけれど」
そうか、だから──
それで洋館のような外観に、旅館のような内装。
連続する畳の部屋に椅子やテーブルが置かれ
かと思えば洋風のリビングがしつらえてあるのか。
ミレイは彼の話を興味深く聞いている。
「…そんな変わり者の彼は、この東城家の地下におかしな物を造っていったんだ」
「おかしな物?」
「…これだよ」
二人は階段を最後の段まで降りきった。
ミレイは目を見張る。