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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第12章 もっと深い トコロ で

「…どうしてかわからないの?」

優しく問いかける彼は、本当に楽しそうだ。

まるで小さな子供に尋ねるような猫なで声でキスの合間に囁いている。


しかしミレイは全くわからなかった。

スミヤに指摘された後でさえ…その口付けを抗う気になれない。


繰り返されるたびに熱くなる胸。早まる鼓動。


“ この感じは…? ”


前にも、いつか……。



「もう…冷静な思考も吹っ飛んじゃってるかな」

「…ハァ‥ハァ‥、ァ…」

「…思い出してごらん」


どうしてこうなってしまったのか分からずじまいの彼女に、──答え合わせ。




「飲ませてあげたでしょう。──…紅茶」




紅茶……



そう言われた瞬間、あの薔薇にも似た芳香が思い出される。



「隠し味は気に入ったかい?…ん?」

「もしかし て…、ハァ‥ハァ‥あの日も……?」

「ああ…そうだね」


それは十日前。

冷めやらぬ身体を持てあまし、ミレイが自分を慰めてしまったあの日──。



「君は部屋に帰ってしまったけれど」


スミヤの指が残りのボタンを外した。

前が完全にはだけた彼女は、その無駄のない美しい身体を彼に差し出している。


「僕の声を、顔を…想像しながら──…君の身体は何回イッてくれたのかな…」


スミヤは彼女の口から舌を引き抜き

真っ赤に色づいた彼女の首筋に顔をうめた。



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