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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第13章 逃走

爆発物処理論
それがミレイ達が受けている講義名。
次回から講義の中で使っていく工具が彼女達には必要だった。
「こんなんで爆弾分解しろってことかよ」
「今どきそんな分解できるような旧式の爆弾、誰も使わないだろって……なあ?」
「時限爆弾を止めるのって、古い刑事ドラマにはお決まりのシーンだけど」
「ちょっとしたロマンだね」
「……」
同級生等の会話を聞くミレイは、やはり上の空。
「後半からはIC機器を使っていくって指導官も言ってたろ?工具で分解なんて最初だけだよ」
ひとくちに爆弾と言っても、その構造は年々複雑になりつつある。
ペンチとドライバーで停止させるなんて昔の話だ。
けれど旧式の爆弾を使用する物好きな犯人も存在するわけで、だからそれを停止させる知識と技術も欠かすわけにいかない。
結局ミレイ達は多くの工具の内の、高くも安くもないひとつを選んだ。

