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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第13章 逃走

「枢木さんっ」
「…っ…どうかしたの久保山くん」
追いかけてきたナツに振り返る。
それでもミレイは、やはり彼と目を合わせようとしなかった。
「どうもしないけどさ…!ただ」
「……ッ」
「──…あっ、悪い…っ」
追い付いた彼がミレイの腕を掴むと、彼女の身体が反射的に縮こまり
ナツは慌てて手を離した。
二人の間に気不味い空気が流れる──。
「……」
工具箱を確かめるふりをして下を向くミレイ。
「枢木さん……!」
すると彼女の髪の毛がサラッと動いて、白いうなじが現れた。
ナツはそれに目を見開いた。
女性らしい白い肌──その、一点に
紅い痣が浮かび上がっていたからだ。

