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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第14章 訊問

ポツ、ポツ、ポツ
しだいに雨音が増えてきて、周りのアスファルトを濡らし始めた。
「これはいけないな…。このまま続けていたら風邪をひくかも」
「えっ!? じゃあー」
まさに天の助けだろうか。
ナツは一筋の希望を見出して、安堵の色をその顔に咲かせた。
「──…ん、まぁ僕は構わないけれどね」
「‥ガーン」
「風邪熱に浮かされながら抱き合うというのも…なかなか…良いかもしれないし」
「そんなぁ…!!」
「…でも君が嫌と言うなら、今日は許してあげてもいいよ」
「ほ、ほんとですか──!?」
希望、絶望、また希望──。
スミヤの言葉に翻弄されながら、ナツはころころと表情を変えている。
「その代わりに……ね」
「……!」
スミヤはそんなナツを面白く思いながら
口の端をあげてニヤリと黒笑した。
「許してほしかったら、部屋番号を教えるんだ」
「‥‥っ」
「最後のチャンスは…あげたからね…──」
もう、ナツに打つ手はなかった。
彼は素直に頷くしかなかった───。
───…

