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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第14章 訊問

「人をまたぐなんて御免だよ」
「いいから 通れよ、鬱陶しい…」
腕を組んだカルロは、スミヤの言葉に耳を貸さない。かと思えば…
「──…それより…ヒステリックな声で俺の眠りを妨げたのはその女か…」
「──…!」
こちらを見ようとしなかった彼が、片目だけ開けて初めて目線をおくってきた。
スミヤの後ろに立っていたミレイと目が合う。
「そいつは…」
「父さんの計らいで、ここに住むことになった女の子だよ」
「知っている…。一度、迷惑をこうむった」
感情を感じさせない声で、ゆっくりと話すカルロ。
「わたしのこと、覚えてるんですね…っ」
自分を忘れていなかった事がミレイにとっては意外に思えて、二人の会話に思わず口をはさんだ。
「そいつをどうする気だ?」
「どうもしないさ。これからお風呂に入るところ」
「……へぇ」
ミレイは彼に助けてもらおうと、すがるような視線をおくる。
しかし返される瞳は冷ややかで、これといった関心を抱いているとは思えない。
「……どうでもいいけど」
“ やっぱり…… ”
芽生えた希望も役には立たず、ミレイはがくりと頭を垂れた。

