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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第15章 Mission.1 ~ 捕縛せよ

駐輪場の前で男を掴みあげたハルトは、眉間にシワを寄せて明らかに不機嫌だ。
胸ぐらを掴まれた男は抵抗しない。
どうしたのかと見てみたら、男の両手首に手錠がはめられていた。
“ まさかこの状況って…── ”
ミレイはなんとなく理解できた。
ハルトに掴みかかられているのは彼女の同級生だ。
そして彼はミッションの途中。
銀バッジ所持者のハルトを見つけて近付いたところ、返り討ちにされたのだろう。
「黒バッジの生徒なら、試験官じゃねぇよな。どこの組織の下っ端だ?白昼堂々、俺に手錠をはめようとか何様だよ」
ハルトは声に凄みを入れて男に顔を寄せる。
「じ、じ、授業の…っ…指令で…」
「ああ!?」
どうにか説明しようとするものの口が回らないようだ。
唇に血をにじませて、恐怖に顔を歪ませている。
「ハルトさん…そろそろ戻りましょうよ」
見ていられなくなった野次馬が、バーベキューから抜けてハルトを止めに入った。
ハルトより歳上なのに敬語でなだめている。

