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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第16章 Mission.2 ~ 逃避せよ

ガリ、ガリ、ガリ
よほど気に入ったのか、猫は楽しそうに靴を引っ掻いていた。
ミレイはそーっと目線を上げる。
「……!!」
すると予想通り、カルロは目を開けていて、伏し目がちに真っ直ぐ猫を睨んでいた。
「……」
しかも無言。
“ ひゃあ~っ ”
ミレイの心の中で悲鳴があがる。
「……おい、あんた」
「はい!」
「足元のこいつを引っぺがせ。…俺が、蹴り飛ばす前に」
「…わ、わかりました…っ」
睨む目を動かさずカルロは彼女に命令する。
ミレイは腕を伸ばすと、半ば強引に猫を彼から離した。
すると猫は、いやいやと腕の中でもがく。
片腕なので抱きにくいが、なんとか彼女は猫を抱き寄せた。

