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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第16章 Mission.2 ~ 逃避せよ

「‥‥‥!?」
超、至近距離で発せられた銃声に
ミレイは固まり、目を見開いた。
ニャー…
「何を‥撃ったの‥‥?」
抱き寄せた猫も大人しくなる。
カルロは自由に動かせる右手を前に構え、その手におさまった短銃の先から煙が出ていた。
ミレイは銃口の指す所を目でたどった。
人影の少ない芝生の広場。
花壇の手前に立つ街路樹の足元──。
「人が──…!? 倒れて、る…?」
足をこちらに投げ出して、仰向けに倒れている男。
あんな場所で…昼寝をしているとは思えない。
「刺客だ」
「あの人が…!?」
さらりと告げたカルロは銃をおろし、脚をゆっくりと組み直した。
「あんたがネコで遊んでる間、狙われてたぞ」
「遊んでたわけじゃあ…っ、─て、そうだったんですか!?」
「…そいつを貸せ」
彼は銃をベンチに置いて、ミレイの腕から猫の首根っこを掴まえて持ち上げた。

