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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第3章 その暴君、天才につき
《 また後でな……
──死にたがりのお嬢さん 》
「…っー…!!」
ゾクッ‥‥
とんでもない相手に自分は歯向かってしまったのではないだろうか。
ミレイは背筋が凍るのを感じた。
《 あなたと同じ生徒よ 》
彼女はあの時、ハルトにそう言った。
あの時は確かに、対等な立場でやり取りをしているつもりだった。
“ けど…まるっきり違う…!! ”
そんな得体のしれない男に勝てるわけがない。
「とにかく、ハルト様に目をつけられて良い噂は聞かないから……っ、気を付けてね」
「…う、ん。ありがとう…」
動揺を見せないようにミレイは弱々しく笑った。
「遅くなった!あっちの列めっちゃ混んでてさー。…枢木さん?」
「久保山くん」
「どうした?皿落としたのか?」
今さらになって現れたナツは、トレーに丼を乗せて彼女のもとへ駆け寄った。
「ううん…。わたしのお皿じゃないよ」
「そうか。んじゃ さっさと食べるぞー」
「はーい」
もう冷めてしまったであろう昼食を置いたテーブルへ、彼女は戻っていった。
そしてその途中──
床に転がった唐揚げを見つける。
“ あの人も唐揚げ定食だったの? ”
少し意外なことだった。
だがそんなことは、どうでもいい。
“ 嫌な予感がする… ”
これが波乱の幕開けだ──。