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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第17章 留守番

もしそうなら悪いことをした。
キッチンとは本来、母親の城だ。
「もう…わたしは、使わないから…」
ミレイは後ずさりながら彼に言う。
これ以上ハルトの気を逆撫でするようなマネはごめんだからだ。
けれど
「ク──ハハッ」
「…?」
「母親の記憶?──…ねぇよ、そんなもん」
興味もない、と
ハルトは笑いながら言いはなった。
「…生きてるか死んでンのかも、知らねぇし」
ミレイの腕を離して彼女に背を向けると、ダイニングの方へ歩いていく。
「よけいな詮索はやめて早く作れよ。…俺以外の奴に食わせたら許さねぇからな」
ミレイの顔を見ることなく、椅子に座ったハルトはそれだけを告げて黙ってしまった。
いったい彼がどんな表情をしていたのか……
ミレイの方からは、見ることができなかった。
───…

