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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第18章 not genius, but....

ふと、ミレイの頭に浮かんだのは
彼はもしかすると…天才ではなくて、秀才なんじゃないのかって。
でもそれを言うと彼は怒ると知っているから、ミレイは口に出さなかった。だから──
「カルロさんもスミヤさんも…、お母さんが違うからってハルトくんを軽視するような人じゃない気がする…。たぶん。わたしの想像だけど」
誤魔化したみたいになったかもしれないけれど
変わりにそんな言葉をかけた。
「──…」
ハルトはそれについて、彼女に何も返してこなかった。
先程まで機嫌よく笑っていたハルトは、今だって怒っている様子はない。
ただ、ミレイの言葉に嫌味を返さないところを見るに、そんな余裕がないように思える。
「…あと、一年だ」
「……?」
「一年後に俺は銃の所持を容認される。そして依頼を引き受けて " 外 " に出る…──」
「外に出て何かしたいことが?」
「別に、ないけどな」
「ふぅん」
ハルトとのやり取りを続ける内に、この広いリビングルームが何故か窮屈に感じてきた。
その理由は、この部屋に窓がないからだと…
ミレイはこの時 気付かない。

