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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第19章 気になるひと

《 恋人 》
片耳から飛び込んできたその言葉は、一度周りの空気に混じりあって、呼吸と一緒に頭の中にようやく入ってきた……それくらいに
ミレイにとって、予想だにしない言葉だった。
「……ッッ…ぇ」
「恋人の帰りを待ってる顔だよなー…って、思ったんだけど」
「そんな…っ…そんなんじゃないよ!」
ガタッ!
立ち上がる一歩手前。
動揺しすぎた彼女の、座っている椅子が大きな音をたてる。
「カルロさんとはそんな関係じゃないよ…!!」
「うっそ、俺の勘違い?」
「勘違いよ!もう…っ…//」
怒っているふうなミレイだが、顔をこちらに向けてはくれない。
赤くなった彼女の横顔を見ながら、ナツはいたずら心をくすぐられた。
「それなら片想いとか」
「……!!」
「…図星?」
「……違うわ」
小動物みたく あわあわしていたミレイが、彼の一言で今度は大人しくなった。
“ やっぱ図星じゃんか… ”
その反応に、ナツは若干、ジェラシーではある。

