この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第19章 気になるひと

テーブルに両手をのせてじっとしたまま、夕食のサンドイッチにも手をつけないミレイ。
「思った通りだったなー」
そんな彼女に向かって、隣のナツは苦く笑いながら呟くのだった。
「…思った通り?」
「枢木さんが悩んでる時って、東城三兄弟が関係してることが多いからさ」
「ええ…ッ?そう、かな」
「朝の授業からずっと、心ここに在らず、って状態だったし?なんか予想はついてたんだよね」
「…す…すごいね、久保山くん」
ナツが凄いのではなくて
ミレイがわかりやすいのかもしれない。
「東城カルロとは仲が良いのか?」
「別にそういうわけじゃあ…」
むしろ、避けられてる
「でも心配なんだ?」
「うん、だって…」
だって、カルロさんは
「──…?」
次の言葉を探しながら、ミレイは疑問を抱く。
だってカルロさんは…恩人だから
だから、こんなに心配なの?
でもそれだけでは、無い気がする…。
「なんかさ」
言葉につまったミレイの横顔を見つめながら
ナツはしみじみと思い知った。
「…恋人みたいだよな、枢木さん」
そして思わず、口走っていた──。

