この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第19章 気になるひと

何故かドーベルマンと兄弟な彼である。雰囲気こそ兄と違うもののハイスペックなのに変わりない。
「…ななな…なんすかっ…」
「とくに用はないけれどね」
ナツは瞬間的に顔をひきつらせ、そして反射的に身を引いた。
椅子から立ち上がり、現れたスミヤと距離をとる。
「久保山くん?大丈夫?なんだか様子が…」
「…だッ…いじょうぶに決まって──」
その反応の速さといったら、ミレイが心配するほどだ。
そういえばナツは、自室にミレイを保護したあの日を境に、スミヤの話題になるだけで途端にびくびくしている…。
やっぱりスミヤに何かされたのでは…
そう思って聞いてみても、ナツは何もなかったと言い張るのだ。
“ 苦手…なのかなッ? ”
この二人の間にいったい何が?
怯えているように見えるナツ。
ミレイは彼を庇うために、代わりにスミヤに話しかけた。
「あの…どうか、しましたか?」
「君に会いに来ただけと言ったら?」
スミヤは椅子の背もたれに手を置くと、顔を近付けてミレイに迫る。

