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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第19章 気になるひと

「僕達の仕事は犯人を捕まえる事でなくて、依頼人の命を守ることだ。依頼人の安全を確保してからでないと大きな動きはとれないよ」
「それなら…っ、カルロさんはいつ出てこられるんですか?」
「それは兄さんしだいだ」
殺害予告をしてきた犯人を突き止めるのが、スミヤの任務。
依頼人をガードするのはカルロの任務だ。
あとはカルロが自身の任務を遂行しさえすれば、残りの仕事は警察にでも引き継げばいい。
「……どうして君が、それほど兄さんを気にかけるのか疑問だね」
スミヤはじっと…ミレイの顔を見つめている。
機嫌を損ねたのかもしれない。ミレイがそう感じるような視線だった。
「君に何の得があるんだい。そうしていればいつか兄さんが君に関心を抱くとでも思うの?」
「…得とか損とか…っ…そういう事じゃないです」
「君は何もわかっていない…」
怒っているのとは違う。
…そう、彼は憐れむような蒼い瞳をミレイに注いでいたのだ。
「兄さんがどういう人間か何も…知らないのに」
「──…っ」
「…そのお気楽さも、君の良さかな」

