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歪んだ三重奏 ~ドS兄弟に翻弄されル~
第19章 気になるひと

ミレイが何も返せずに黙っていると、スミヤもそこでその話を止めた。
「……」
「…どうして僕じゃないんだろうね」
彼からしたら、ミレイはとても可哀想な女なのだろうか。
ガタン
「スミヤさん…っ」
「僕は家に戻ろうかな。君はちゃんとサンドイッチを食べなよ?もうすぐ飲み物も届くだろうし」
彼女の栗色の髪をとかすように頭を撫でて、スミヤは席を立った。
「兄さんはこんな事で死ぬような人じゃない。安心したらいいよ」
また何かをされるとミレイは思っていた。
でも彼の用事はそれだけのようで、ただ…そう告げて去っていく。
「よかったら!」
「……」
「…ッ 教えてほしい…、わたしに、カルロさんがどういう人なのかを──っ」
ミレイは彼が離れていく前に、その背中を呼び止めた。
「スミヤさんの言う通りです。わたしってカルロさんに避けられてる…から、だから」
向き合って話すことはもちろん
顔を合わせるのも嫌がられる。
「それは言い訳になるかもしれないけど、つまり、知らないんです!カルロさんを」
「…それで?知ってどうするんだい」
「何もできないけど、気になるの」
気になる
彼のことが気になる。
あの謎に包まれた人は、いったいわたしに何を隠しているんだろう。

